ちばき屋の店主に教えてもらった醤油ラーメンのスープの作り方・レシピ
ネット上には数多くの醤油ラーメンのスープの作り方、レシピが紹介されています。中にはプロ並みの人もいて、本格的なラーメンの作り方を紹介していますが基本的には一般の方が紹介しているものです。
このページでは現在も営業しているラーメン屋さんの店主に教えてもらった醤油ラーメンのスープのレシピを元に、自分でアレンジしたレシピを公開しています。よく現役のラーメン屋さんがレシピを教えてくれたな~って思われると思いますが、僕も最初はビックリしました。
教えてもらったと言っても実はこのDVDで教えてもらったんですね。今は販売終了になっているんですが、Amazonでは中古が販売されています。
こちらの方は西葛西の名店、ちばき屋の店主の千葉 憲二さん。日本で初めて半熟煮卵をラーメンに乗せた人です。さらには日本ラーメン協会の初代理事長。設立時の理事には支那そばやの佐野実さんや、せたが屋の前島司さんが名を連ねています。言ってみれば佐野さん、前島さんの上司? さすがに上司では無いでしょうけど、リスペクトしているのは間違いないでしょう。すごい! (佐野さん好きだったなぁ・・・)
醤油ラーメンのスープの作り方
以下に醤油ラーメンのスープの作り方を手順を追って解説します。
醤油ラーメンの材料
材料はさすがにお店のレシピそのままで家で作るとなるとかなりの量。ざっと50人前ほどになるので、ラーメンパーティーしなきゃいけないし、そんなに友達もいない(涙)。なのでお店のレシピの10分の1の量で、ちょっとアレンジして作ってみました。お店の店主の方は、ざっくり10倍にしてください。
水:4リットル
げんこつ:1kg(中程度のもの2本)
鶏がら:2羽分
手羽先:4本(もみじが手に入れば代用可)
しょうが:1かけ
にんにく:2かけ
玉ねぎ:小1個
長ネギの青いところ:1本分
魚系:厚切りの鯖節10g
下処理をする
スープの基本は、豚骨と鶏がら。この二つの材料の取り扱いが悪ければ、どんな良い材料を入れても美味しいスープは作れません。特に下処理を怠れば、濁ったり、臭みが残ったスープになってしまいます。なので、美味しいスープを作るためには、この部分を手を抜かないように!
まずは鍋いっぱいに湯を沸かして沸騰させ、豚骨と鶏ガラを茹でます。
表面が白くなる程度で大丈夫。この時のお湯は捨ててください。
材料を取り出します。
取り出したらすぐに水にさらし、表面についた臭みを取り除きます。
豚骨の髄の中の血はなるべく取り除くように。プニプニ押すと血が出てきます。髄は残します。
鶏ガラはとくに丁寧に流水で洗います。
こんなふうに、内臓がついてるので、丁寧に取り除きましょう。残ってるとスープが濁る原因になります。
スープを炊く
さて、ここからがスープ作りに入って行きます。スープ作りの1番目のポイントは「まずゲンコツから先に煮る」。鶏よりも、豚の方が強いアクが出るので、豚のアクを取りきってから、鶏を煮るようにしましょう。この順番を間違うだけで、アクの混じった汚いスープになります。
鍋に水を半分ほど入れ、水からゲンコツを煮ていきます。火加減は強火で。
ゲンコツを煮るとすごい量のアクが出ます。ゲンコツは髄の中にアクを出す成分がたくさんあるので、それを出しきる感じで、かき混ぜながら煮ます。
大まかにアクが取り、鶏ガラ、手羽先、残りの水を入れ、蓋をして沸騰するまで待ちます。
沸騰すると、アクが出ていると思いますので、それを取り除いてください。脂も一緒にとっても大丈夫です。(1回目のアク取り)
その後はアクをこまめに取らないこと。これがポイント。アクがある程度溜まってきてから、取るようにしてください。こまめにアクを取ると、アクが細かくなってしまい、スープの中に滞留してしまいます。これがスープの濁りの原因になります。
しばらく、中火で炊き続けて、鍋の表面にアクがいっぱい溜まってきたら、2回目のアクを取ります。鍋のふちについたアクは丁寧に拭き取るようにしてください。この手間を怠ると、スープが濁っておいしく無くなります。
またしばらく中火で炊き続け、3回目のアクを取ったら長ネギ以外の野菜をすべて入れます。玉ねぎ、ニンニクは皮を剥いてください。
またしばらく中火で炊き続け、4回目のアクを取ったら長ネギを入れて弱火に。表面がさざなみぐらいの火加減にします。ここから1時間炊きます。
鯖節をだしパックに入れ、それをスープに投入します。
弱火で2時間煮込めば完成です。
これが完成品のスープ!美味しそうでしょう?
ちなみにこちらが、本物のちばき屋さんのお店のスープ。色は同じような感じ。自作の方がちょっと脂が多いかも?
んで、実際のスープの味なんですが・・・
本物とほぼ同じ味
むしろ自分で作った補正がかかって、自作のラーメンの方が美味しく感じたほどです。
このチャート・・・
おすすめ書籍の紹介
食べログ3.5以上の有名店のレシピが学べる
上に書いたレシピだけでも本当に美味しいラーメンが作れます。ぜひ試していただきたいのですが、ここではさらにいろんなラーメンの名店がレシピを公開している本を紹介します。
ラーメン技術教本 -人気店に学ぶ、スープ、自家製麺、トッピング
こちらの書籍では、超有名ラーメン店がお店で出しているレシピをそのまま公開しています。こりゃやばい!だって概ね食べログ3.5以上のお店ばかり。こんなの公開していいの?って感じです。
レシピが掲載しているお店は・・・
麺や維新/ 麺処 まるはBEYOND/ 饗 くろ喜/ 麺処 銀笹/ 我流麺舞 飛燕/ 東京スタイルみそらーめん ど・みそ 京橋本店/ 味噌らぁめん 一福/ 麺や 庄の/ 麺処 ほん田/ らぁ麺 胡心房/ 麺屋 藤しろ/ 麺劇場 玄瑛 六本木店/ つけめん TETSU 千駄木本店/ 貝汁らぁめん こはく/ 創作麺工房 鳴龍/ 支那ソバ かづ屋
僕もこの中から、何店舗か行ったことがありますが、開店のちょっと前に行っても行列があるような人気店です。ただレシピに関しては結構プロ仕様なので、一般の人が家でラーメン作るのには向いてないかもしれません。
レシピなんて公開したら潰れるんじゃない?
たしかにね、上記のお店も人気店ですが、レシピなんて公開したら真似されて潰れるんじゃない?っていう不安はあったと思います。でもこの本は、実は2016年8月から販売されています。
販売から6年、潰れたお店は0軒!
2022年3月現在、全部調べましたが、潰れたお店は0軒でした。移転しているお店は結構ありますが、営業終了したお店はありません。それどころか多くのお店が支店を出して業務を拡大しています。勝手な想像ですが、ラーメン屋さんってやっぱりラーメンが好きで開業するわけだから、いくら名店のレシピだからってそのままパクるのはプライドが許せないんじゃないでしょうか?ただまったく同じ味で出すのはやっぱマナー違反なのかもしれません。開業するならちょっとぐらいはアレンジしたいですね。
本の値段が高い?
それはないと思います。そりゃ一般の書籍から考えると高いかもしれませんが、お店の人がこれを見てラーメンの味が上がり、一日の売上が仮に1万円上がったとしたらお昼の営業だけで元がとれます。そう考えるとかなり安いですよね。いやむしろ激安と言ってもいいでしょう。
普通、ラーメンに限らず有名な飲食店のレシピって300~500万円が相場らしいです。決して高くは無いと思います。ただ僕みたいな一般人向けと考えると・・・ まあ趣味にこのくらいのお金を使うのはそんなに悪く無いのかもしれません。
本当にすべて公開してるの?
僕が見た感じでは、本当にすべて公開しているのかどうかは、正直なところ分かりません。中にはここもう少し説明くれよ!ってところもありますから。でも・・・
可能な限り、公開していると思います。
編集でカットせざるを得ないところもあると思いますが、なんてったって全員、日本を代表するお店の店主なので、その立場でノウハウ隠しちゃったら、他のラーメン界の人たちにディスられちゃいますよね。あの人セコいって。
家で作るならこっちがいいかも
こちらの本は静岡県三島の名店、ラーメン ろたすの店主、髙梨樹一氏が、自宅で作ることを想定して書かれたレシピ本です。面白いのはご自身のお店では普通の醤油ラーメンを出されているのに、札幌風味噌ラーメンや塩ラーメン、尾道、徳島、京都などのご当地ラーメン、はては二郎系ラーメンのレシピまで再現されていることです。本当にラーメンが好きなんでしょうね。
開業する人向けの本
最後に紹介するのは開業する人向け。こちらも名店、麺屋 八頭龍の店主である田村英樹氏の開業バイブル。開業計画からメニューづくり、物件の探し方まで丁寧に解説されています。
他の名店のレシピ
しょうゆラーメンのスープの特徴は、醤油の香りと透き通っただし
豚骨や鶏がらは使うものの、一晩以上煮込むとんこつラーメンのだしと違い、数時間で引き上げるのがポイント。そして多くの店で魚系のだし、つまりカツオ節やサバ節などを合わせます。最近では「Wスープ」なんていう呼び方も定着してきましたね。ってなわけで、ここでは他の名店(秘密のお店)のレシピを紹介。
材料
鶏胴がら:1kg
ゲンコツ:2kg
モミジ:200g
豚足:1本
玉ねぎ:1個
ネギ:1/2本
ニンニク:3~4片
ショウガ:50g
煮干:150g
本カツオ厚削り:100g
宗田節:30g
サバ節:30g
日高コンブ:15g
作り方
1.ニボシ、コンブはあらかじめ別鍋で水からだしをとっておく。
2.鶏がらはさっとゆでこぼして下処理。
3.下処理した鶏がら、ゲンコツを自ら強火で一時間煮る。アクはこのときに出し切る感覚。
4.豚足、モミジを入れ、2時間ほど煮込む。
5.野菜を入れ3~4時間煮る。(このときチャーシューに使う肉も一緒にゆでる)
6.本ガツオ節、宗田節、サバ節を完成した動物系スープと合わせ、1時間煮込む。
7.だしを取った煮干、コンブを除き、動物系スープと合わせて味をなじませる
ラーメンスープの材料
ラーメンスープの材料は、例えばゲンコツや鶏ガラなどは、お肉屋さん、鶏屋さんなどの専門店で購入することが出来ます。ゲンコツなどはお肉屋さんだと、とても安価に買えます。僕が買った時は一本30円でした。お店に行かなくても、楽天市場でも買えますので、こちらではそれを紹介します。
ゲンコツ
ゲンコツはだいたい2kgで2000円ぐらいが相場のようです。2kgもあれば家庭用なら2回分ぐらいになりますね。
鶏ガラ
鶏ガラは安価で手に入り、ラーメンスープの材料としてはゲンコツと並ぶポピュラーな素材です。醤油ラーメンや塩ラーメンなど透明感のあるスープに重宝されますし、強火で炊き上げれば濃厚な白湯スープもとれます。鶏ガラならスーパーでもたまに売ってますね。比較的手に入りやすい材料です。
もみじ
もみじをプラスすると、コラーゲンが溶け出し、スープに濃厚さを与えます。もみじだけで取ったスープは濃厚の極み!
魚介系
魚介系はまとめて解説。
節 and 煮干し
とてもいい香りをスープに与える節系材料。かつお節は香りが高いが高価なので、さば節や宗田節が主に使われます。薄削りは煮込むと雑味が出るので、厚削りがおすすめ。
宗田節
適度なコクと香りに加え、独特のアクセントのあるだしが取れる。血合いが多くダシに色がつくので少し注意が必要。
サバ節
安価でコクの強い出しが取れるので、魚系スープのラーメン店ではよく利用される。
鰹節
上品で透き通ったスープが取れる。香りが高くいい出しが取れるが高価。
煮干し
主にカタクチイワシを煮てから干したもの。まれにトビウオやキビナゴ、アユなどが使われる。節物とあわせて使われることが多い。腸は取ってから使おう。
昆布
節系とともに魚介系スープに使われる昆布。煮出すとエグ味がでるので、水からじっくり出汁を取ることが多い。
日高昆布
磯の香りが強めで、それ以外の風味やうま味が弱め。安価なので比較的多く使われます。
利尻昆布
クセのない香りとうまみの強いだしが取れます。
羅臼昆布
風味もうまみも強いが、高価なのでラーメンにはほとんど使われない。
このチャート・・・